なぜリンを含んだ洗剤などを流してはいけないか?by生物

 むかし環境破壊とかでリンを含んだ洗剤を流すと赤潮とかになるとか聞いたことがありませんか?赤潮とは水中のプランクトンが富栄養化によって大量発生し赤く見える現象です。このため、水中の酸素濃度は減ってしまい水中の他の生物たちが呼吸できなくなり死んでしまったりします。
 ではなぜプランクトンが大量発生するのでしょうか?それは富栄養化という現象なのですが、それだけでは良く解りませんよね?栄養とはなにか?ここで言う栄養とはリンの事です。リンは生物にとってなくてはならない物質の一つです。炭素、酸素、水素、窒素、などとともに体にとって必ず必要な物質です。例えば体内のミトコンドリアが生物が活動するために出しているエネルギーのATP(アデノシン三リン酸)は名前の通りリンの化合物ですし、遺伝子を構成してる化合物にもリンがくっついています。少し詳しく説明すると、アデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシルなどに糖のリボース(デオキシリボース)がくっつくとヌクレオシドと呼ばれるものになります。これの糖の部分にさらにリン酸がくっつくとヌクレオチドとなりこのヌクレオチドがいっぱいくっついたものがDNAやRNAとなっています。また酵素反応をコントロールしていたり、脂質とリンがくっついてリン脂質となり、細胞膜の重要な成分でもあります。つまりリンなくしては生物は生きていけないのです。
 にもかかわらず、地球の表層部元素存在度を見ると酸素、ケイ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、チタン、水素の次に多いのがリンです。海水中ではもっとすくないです。人体の中の元素では6番目にリンは多いのです。つまり、土壌に含まれるリン化合物を溶かして食物連鎖で摂取しているわけです。普段これだけ手に入りにくいリンですから、リンを含んだ洗剤を海に垂れ流しにしてしまえば、プランクトンなどが大量に発生してしまう訳がわかりますよね?このようなため、リンを含んだ洗剤などは流してはいけないのです。