「バファリンの半分は優しさで出来ています。」ん〜CMでおなじみの言葉ですね。優しさってどんな化合物なんだろう・・・?って思うよね?化学好きならそれくらいは思うでしょう。そんなわけで、バファリンの優しさってのはどんな化合物かを説明していきます。え?!優しさっていうのは化合物じゃなくて感情だよ!!って思うかもしれないけど、気にしないでいこう(爆)
日本一般薬品一覧表なるもので、バファリンを調べるとバファリンって数種類あって、大体がアセトアミノフェンであります。
アセトアミノフェン
この化合物は解熱鎮痛作用のために配合しています。解熱鎮痛作用があるのはこのアセトアミノフェンのなかのアセトアニリドという部分が解熱鎮痛作用を持ちます。
アセトアニリド
つまりこの部分があれば大体それクサイ作用がでると言うわけです(笑)ただし、これにくっつく置換基によって活性は違ってくるのはLSDと同じ事です(LSDもNにジエチル基がついたとき最も強力な幻覚作用を引き出す)。ではもう一度アセトアミノフェンを見てみましょう。これにフェノール性水酸基がついているのが解るでしょうか?
フェノール
フェノールの構造がありますね?ここにOHがついています。ベンゼン環にOHが直接くっついているのがフェノール性水酸基です。この物質は自分でも触った事があるのですが、強力に皮膚を侵したりします。つまり、これが胃に入っていくので、胃は強烈に刺激されます。アスピリンもくっついているのはフェノール性水酸基ではなくエステル結合していますが、これは簡単に加水分解されフェノール性水酸基に戻ります。同じような理由で胃が荒らされてしまいます。アセトアミノフェンも実は胃に強い刺激がありますので、胃が弱い方は大変です。ここで、バファリンの中でもある種類のものは違う物質が入っていました(確かLだった気がする・・・そこら辺は薬局へ行って調べよう!!笑)。それは2−エトキシベンズアミドという物質で、別名をエテンザミドという物質です。
エテンザミド
よく見てください。これはフェノール性水酸基にエチル基がついてエーテルになっています。こうなってしまうとフェノール性水酸基の性質はなくなってしまうので、胃を荒らすことは無いのです。つまり「優しさ」というのは「胃を荒らさないよ」と解釈することができます。この胃を荒らさないものはなにか?と言ったら、見ての通りエチル基です。つまり優しさとはエチル基の事だったのです!!(爆死)
ですが、これはアセトアミノフェンよりは解熱鎮痛作用は弱くなっています。では、真面目な話に戻って、これは効果が弱いのか?と思われるのですが、ところがどっこいそうではないのです!!ここがエテンザミドのすごい所!!というか、肝臓がすごいのですが・・・・爆。この薬物は肝臓でシトクロームP450という酵素によって代謝されます。

この図を見てください。エテンザミドはP450によって水酸基を挿入されヘミアセタール型になります。この物質は非常に不安定なため、エーテルのOで結合が切れてしまいます。アセトアルデヒドと残基が出来ました。残基を注目するととってもアセトアミノフェンそっくりですよね?そうなんです!!胃には優しいけど、肝臓に入ったらP450の作用を受けて強い解熱鎮痛剤になっちゃうぞ!!って反応をするのです。ちなみに、このように体内で強い薬効をもつようになる薬物をプロドラッグと呼ばれ、この物質もその一つです。いやぁ・・・バファリンの優しさって意外なものでしたね。