梅干しはなぜ赤くなる?

 いやぁ〜鉄腕ダッシュって知ってるかなぁ?あれ見てたんだけどね、梅干し作ってたの。んで、梅干しって俺シソの色が移っただけだと思ってたんだけど、違うらしい。番組中では「シソの液と梅の果汁が混ざることにより赤く着色する」と言っていました。これは化学をやってる俺にとっては非常に気になりました。色があるというのは、物体がその可視光の波長を出しているか、それ以外の波長を吸収しているのどちらかです。つまり、梅干しの赤色は光を出しているわけではないので、特定の波長を吸収していると言うことです。光を吸収する物質の特徴として、その化合物は電子が非局在している・・・つまり解りやすく言うと二重結合や芳香環を持っているという事になります。そりゃぁ〜植物ですから、アルカロイドやらなんやらの化合物を持っているというのは解ります。でだ・・・・「色がつく」と言うのが興味を引く大きなキーワードなのです。色が変わると言うのは吸収波長が変わる・・・・つまり物質の構造が変わっていると言うことなのです。なので、なんらかの化学変化が起きていたと言うことになります。
 小学校の理科、中学校の理科1分野、高校の化学でやった中和滴定と言うのを覚えていますでしょうか?これは酸とアルカリを中和する反応でしたね?この時、溶液は透明です。どうやって見分けたのでしょうか?そうです、指示薬というものを使ったはずです。それはリトマス試験紙だったり、BTB溶液、フェノールフタレイン、メチルオレンジ、メチルレッド・・・・といろいろありますが、これらも実は梅干しの赤と同じ原理なのです。この指示薬というものは、酸性度・・・つまりpHにより構造が微妙に変化することによって、吸収波長を変えるので色が変わって見えます。その反応はとても敏感なので指示薬として使われる訳です。
 梅干しの話に戻りますが、この指示薬の役目をしているのがシソに入っているシソニンという色素で、pHを変化させているのが梅干しに含まれるクエン酸です。クエン酸は酸性ですから、pHを小さくします。

 これが酸性の時のシソニンです。この時赤色をしています。これを中性にする・・・つまりpHをあげるので、OH-イオンが増えるとH+イオンが減るので・・・・

 と中性ではフェノール性水酸基のH+がとれて、H+を増やそうとします。この構造の時は紫色・・・つまり通常の赤シソの色をしているわけです。さらにpHをあげ、アルカリ性下にすると・・・・

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 の構造を行き来します。これはアルカリ性下での安定構造で、溶液全体がH+不足なので、分子からH+を放出して安定しています。これは青色をしています。
 これらの反応はフラボノイドというグループのアントシアニジンという構造をもつものは同じ反応をします。例えば紫キャベツも同じ反応をします。昔理科の豆知識なんかでpHを色で見分けられる紫キャベツ液とかありませんでしたか?あれはこの性質を利用したものです。

アントシアニジン